マットミーってどんな織物?
タイシルクってなにが違うの?その@
タイシルクってなにが違うの?そのA

 

なにが違うの、タイシルク (その1)


「タイへ行ったらタイシルク」 そうじゃありませんか?
「だってタイのシルクって有名じゃない。ジムトンプソンでしょ、デザインタイでしょ、それにホテルにだってたくさんシルクやさんってあるじゃない。それに値段だって安いし。」 
 じゃあ、タイシルクって他のシルクとなにが違うの?

 タイシルクを有名にした あのジムトンプソンの話はタイのガイドブックなりを読めば必ず出てくるので、知っている方も多いでしょう。確かにミステリアスなところなど興味をそそりますよね。 でも、シルクそのものの話ってあまり書かれてないでしょ。
 では、シルクってどうやって作ってるか知ってます? えっ、馬鹿にするなって。 そうですよね、小学生のとき理科の授業で蚕を育てましたよね。桑の葉っぱの上に蚕をのせて、休み時間のたびに見に行っては、「うわー、すごい勢いで葉っぱ食べてる」と妙に驚いたものですよね。 そして、何週間かたって、大きくなると、先生がどこからともなく持ってきた菓子折りの箱に、「気持ち悪い,気持ち悪い」と、きゃーきゃー 言いながら、一匹づつ菓子折箱の小部屋に入れたでしょ。 そして、蚕が糸を吐いて、まゆを作り始める。 翌朝には、まゆはすっかり出来あがっている。 そうです、その通りです。 でもその先、どうなるか知りません。 だってこれは、私の蚕育ての記憶のすべてだからです。 もし、もっと知っている方がいたら失礼ですけど、だいたいこんなものじゃありませんか?


 では、蚕が生まれてからまゆになるまでのお話をしましょう。 と言うのもおもしろくないので、日本の蚕とタイの蚕の違いを比べながら話して行くことにしましょう。

 

  日本の蚕は家蚕(かさん)と言って、人間によって飼いならされた蚕です。だから不思議なことに自分で桑の葉を探して食べに行くことが出来ず、人間が桑の葉を与えてやらないとすぐに死んでしまうのです。 それに対してタイの蚕は野蚕(やさん)と言って、野生の蚕です。野生の蚕と言っても飼い方は、家蚕とほぼ同じで、卵から生まれて何回かの脱皮を繰り返して大人の蚕になります。その間の食欲と言ったらすごいもので、養蚕業の方々は夜も寝るひまもないほどに忙しく、桑の葉を与えてやり糞の始末をしてやるそうです。 この間の蚕は食べる、寝る、出す(失礼!)仕事を繰り返します。 そうそう、蚕の寝姿って知ってますか? 私も最初びっくりしたんですが、蚕の寝姿はキングコブラが威嚇している時の姿と似ていて頭をもたげて寝るんです。(写真-1-)


 

 最後の脱皮が終わるとやがて食欲もなくなりからだの色が黄色くなってきます。(写真-2-) そして例の菓子箱の小部屋、ここではもちろんちゃんとした蚕用の「ジョート」と呼ばれる、まゆ作りようの竹籠のようなものに蚕を移します。(写真-3-) そして蚕は糸を吐き始め、やがて まゆになると言うわけです。  ここでまた驚くことにタイのまゆの色、すなわち糸の色は、なんと黄色なんです。まゆの大きさも日本の家蚕よりひとまわり小さくより細長いです。ちなみに一匹の蚕が吐く糸の長さは、日本の家蚕が1,500m、タイの野蚕が700mくらいだそうです。蚕自体の大きさはさほど変わりないのにこれほどに吐く糸の長さが違うのでは、家蚕の方が断然、効率がいいと考えるでしょう。 でも、ここにタイシルクの特徴があるんです。長さが短いかわりに糸が太いのです。 糸が太いと、シルク糸からの光の反射が、より複雑になり、あのシルク特有のつやがよりきれいいにでるのです。これが、タイシルクが良いと言われる理由の1つなんですよ。


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